地震から1年半、JR豊肥線は肥後大津-阿蘇駅間がまだ不通である。立野駅はその途中にあって、スイッチバックの駅である。南阿蘇鉄道は立野から高森につながっているが、こちらも立野-中松間が不通である。地震による被害がひどく、何時復旧するかわからない。
この日は休日で工事も休みなので、立野駅を見に行った。地震以来初めてのことである。長陽大橋が開通したので行きやすくなった。
駅前には誰もいない。車が一台駐まっているだけだった。南阿蘇鉄道の駅舎とホームである。ここから高森行きの列車が出ていた。特に、トロッコ列車は人気だった。跨線橋から反対側を見ると、南阿蘇鉄道とJRをつなぐ線が見える。ここは地震前もほとんど使われていなかったが。
立て札には、JRの立野駅と南阿蘇鉄道の立野駅が矢印で示されているが、その下にトロッコ列車は「本日は運休です」と出ている。本日だけではなくこの1年半ずっと運休である。
JRのホームに出てみると、ホームの上には屋根も何もない。熊本方面、宮地・大分方面という白ペンキで書かれた文字が残っているだけである。ホームの両側の線路は取り外されていた。痛々しい。工事用の車が通りやすくするためかも知れないが、それにしても復旧がかなり先であると考えているのが分かる。
JRの駅舎も出口にコーンが立っていた。駅前の饅頭屋さんもお客が来なくて困っているだろう。後に見える山も地震の傷跡が見える。立野から高森へ向かう線路もこんなに草が生えていて、ほとんど見えない。晴れていて10月にしてはとても暑い日だった。