ならやま大通りから平城1号線を南下し、近鉄平城駅の近くを通り細い道を車で行くと、秋篠寺に着く。平城宮跡の北西の方向に当たる。
駐車場から入り口に向かうと、右手に木が生えた空き地がある。ここが昔の金堂跡地らしい。今は石が少し残るだけだが、地面を苔が覆っている。陽光が木々の間に降り注ぎ、苔の緑が美しい。
入ると本堂(国宝)がある。ここに薬師如来などのたくさんの仏像がある。伎芸天(ぎげいてん)が有名のようで、パンフレットには「現在では他に全く遺例を見ず我国唯一の技芸天像である」と書いてあった。彩色されていたことがわかるが、今ではほとんど色がない。
本堂から出ると、南側に瓦屋根の座って休むところがある。中央には火鉢のようなものが置いてある。火鉢の中にはタバコの吸い殻があったので、ここは喫煙可なのではないか。タバコを吸う人は、どんどん吸えるところが少なくなって、肩身の狭い思いをしていると思う。愛煙家にとってこのお寺は希有な存在なのではないか。と思って、写真を撮った。
私は吸わないので、座っていただけだが。私たち以外には誰も来なかった。
秋篠寺(あきしのでら) 奈良市秋篠町 2021年4月7日