朝起きると,右手に力が入らない.お箸ももてない.字も書けない.掌を閉じることはできるが,逆方向へ曲げることができない.驚いたけれど,直るかも知れないしと思って,まあ一日様子を見ればという気になった.しかし翌日も症状は変わらない.
医者に診てもらって,「橈骨(とうこつ)神経麻痺」だと分かった.掌を背面に曲げる筋肉を制御している神経が肩から上腕部を通ってつながっている.この神経を橈骨神経と呼ぶようだ.変な姿勢で眠って腕を押さえつけた状態が続くと,神経が圧迫されてこのような症状がおこる.私の場合は,普通に眠っていておこったのだが,列車に乗っていて腕を窓枠に乗せて眠ったりして,また酔っぱらって変な場所で寝ておこることも多いらしい.腕枕をして起こることがあるので,英語で honeymoon palsyとかSaturday night palsy とか言うとのこと.
よくある病気だと医者が言うのでどのくらいか聞いてみたところ,その病院に一年に1人来るくらいかなとのことだった.回復には1ヶ月くらいかかると思ってくださいと言われた.