久しぶりに叡山電車に乗った.そのために,京阪電車で京都に行った.出町柳で鞍馬行きの電車に乗り換え,京都精華大前で降りた.駅を降りるとそこが大学のキャンパスである.
電車は薄いクリーム色に緑と青の線が入った2両編成だった.跨線橋の壁は穴の開いた金属板でできていて,そこから撮ると面白い写真になった.
この日は,京都精華大学でウスビ・サコ氏の講演「グローバル社会と人文学」があって,それを聞きに行った.私は「グローバル化の被害者です」という言葉から始まって,彼が生まれたアフリカのマリという国,そして彼が日本の京都に住むに至った話があった.
彼のOussouby Sackoという名前の表記もフランス語である.マリ共和国の公用語はフランス語で,小学校で習うのはフランス語である.土地の言葉もあるが,それは小学校では教えない.いろいろ考えさせられることがあった.
サコさんの話を聞いて私が思うのは,この国のことである.日本は運良く西洋の植民地にならずにすんだのに,最近では「小学校で英語を教えよう」とか,ある会社では「英語を公用語にした」とか,「大学で日本語ではなく英語で講義をしよう」とか,そういったことを聞く.それに対して,多くの人々は疑問を持たず,トンでもないことと思わないようだ.マリは仕方なく植民地になったのに,日本は自ら進んでアメリカの植民地になろうというのだろうか.